2024年奥大和地域の診療所日帰り見学ツアーを開催いたしました。

日本看護協会が2017年度より実施している、地域に必要な看護職確保推進事業の一環として、「奥大和地域の診療所 日帰り見学ツアー」実施しました。昨年は2つのコースを実施ましたが、今年は十津川村の1コースの実施です。
10月29日火曜日8時に近鉄大和八木駅を出発し、十津川村国民健康保険小原診療所、社会福祉法人明和会高森の郷、障害者支援施設こだまの里の施設内見学と、そこで働く職員の方に、業務内容の他日々の生活についてお話を伺いました。
小原診療所は、今年1月に新築され、1階が診療所、2階が十津川村災害対策本部拠点施設となっていました。十津川村産材を使用した木造軸組構造で、木のぬくもりが感じられ、コンパクトな中にも、設備が整い、働きやすさを考慮した動線が取れるように設計され素晴らしい建物でした。村外から移住をしてこられた保健師さんは、十津川村が災害にあったとき「手伝いに行く」とボランティアで村に入り活動され、その後正式に村の職員になられたそうです。その熱意はとても素晴らしく、仕事も私生活も地域住民の方と共に過ごされている様子が伺えました。
社会福祉法人明和会高森の郷は、特別養護老人ホームと地域密着型特別養護老人ホームがあり、施設は広く、とてもゆったりとしており、居室の窓が大きく、見える大自然の景色がまるで絵画のようで、街中では考えられない贅沢な空間でした。この施設にも、家族の仕事の関係で移住をしてこられた看護師の方は、「雄大な自然に魅了され、地域の人がとても温かい。時間の流れは同じだが、自分に使える時間がたっぷりある。だから勉強する時間がある。資格取得のための勉強ができる。お店が無いからお金も使わない。アマゾンは翌日に届く。」とユーモアたっぷりに日常についてお話をしてくださいました。
障害者支援施設こだまの里は、平成6年「障害をもつ方が、親亡き後の生活の保障」を目的として建てられた障害者支援施設です。30年経過した施設にも関わらず、とても清潔に保たれており、廊下や共用の場所であっても、不要なものは置かれておらず、安全性に配慮されていました。施設長さんは、30年生活指導員として勤務されており、入居されている障がい者への愛情にあふれた説明と、ともに働く職員の方の生き生きとした表情が印象的でした。
参加者はとても熱心に、それぞれの施設で職員の方に質問をしていました。
「実際の医療現場を見せて、こういう所で働きたいという思いはやっぱりいまも変わっていない事を自分の中で再認識しました。」「より強く行きたいと思う様になりました」という感想や「興味があるだけの甘い考えではダメだと感じた。必要としてくれる思いに貢献できるのか?地域で暮らす覚悟があるのか?など、自問自答し検討しないとダメだと感じた。」など、へき地で働くにはどうすべきか、考える要因となったようです。
あいにくの雨と、暑さが続く気候のため紅葉は見られなかったのですが、人と自然の大共演に感動しました。片道2時間30分、往復約180㎞の奥大和地域 日帰り見学ツアーでした。(奈良県ナースセンター)