ごあいさつ

公益社団法人奈良県看護協会会長

公益社団法人奈良県看護協会

会長 春木邦惠

2026年度 公益社団法人 奈良県看護協会 通常総会を終えて


 平素は協会事業へのご支援をいただき、また、2026年度通常総会も無事終えることができましたこと、感謝申し上げます。
 さて、日本看護協会は、昨年「看護の将来ビジョン2040」を公表し、3つの目標を掲げ、その実現に向けた取り組みを進めています。あわせて、いのち・暮らし・尊厳をまもり支える仕事だからこそ、看護職自身のウェルビーイングが大切としました。また、病院約8,000施設を対象の病院看護実態調査を毎年実施しています。回答施設数は半数弱ですが、離職率は、2023年度とほぼ同様で、主な退職理由は、精神疾患、看護職としての適性と看護実践能力への不安でした。給与面では、特に、二交代制夜勤においては、2010年から増額は1,000円にも満たないわずかです。夜間勤務帯の医療体制の脆弱な中、数人で何十人もの患者の命を預かるということの重責に、手当額は、果たして見合っているのかが問われます。あらためて、多くのプレッシャーの中、責務を果たそうと日々奮闘されている皆様に敬意を表するとともに、看護協会として何ができるかを問うものと認識しています。令和8年度診療報酬改定では、30年ぶりの大幅なプラス改定になりましたが、この財源を活用しながら、持続可能な医療従事者の働き方を確保できるでしょうか。私ども看護職の働く環境が、注目されつつあるのは事実です。このチャンスを逃さず、データに基づく要望と、団体としての力で、環境労働改善を推し進めていかなければなりません。一方、地域完結型の体制へと変換を図っている現在、地域や組織における資源の管理や人材育成などをはじめ、さまざまな場においてリーダーシップを発揮する看護管理者への期待がますます高まっています。本会は、日本看護協会が示す看護管理者研修の体系の変更を受け、認定看護管理者の育成にも取り組んでまいります。
 18歳人口の減少に伴う推移からも看護職が減少し、今後、看護協会会員数の減少は避けられない状況になってきました。看護協会に入会しているメリットは何か?という問いに、納得のできる回答ができるかが求められています。看護職が、その専門性を発揮し、やりがいをもって活躍するためには、個が多く集結し、より大きな職能団体として、その存在価値と意義を示していかなければなりません。日本看護協会秋山会長の言葉通り、いわば、今、看護協会の正念場です。
 奈良は、聖徳太子の「慈悲の心」に端を発し、奈良時代の聖武天皇の光明皇后からの看護の精神が宿る地です。奈良県の「かんごちゃん」は、吉野千本桜を後ろにデザインしていますが、私には、仏像の光背のように見え、光明皇后の思いを感じます。この看護の心を忘れず、全ての看護職の個々の力が活かされますよう、そして、看護協会に訪れると「どこかほっとするような」と思っていただけるよう努めてまいります。
 今年4月、37年間慣れ親しんだ四条町の看護研修センターをあとにし、四分町にありますホームナーシングセンターに移転しました。これを新たな出発とし、組織体制の整備、事業の見直し等、鋭意努力してまいりますので、これからも、看護協会をどうかよろしくお願いいたします。

2026年6月