9月27日(金)第12回復職支援研修を開催しました。

午前「エンゼルケア」、午後「医療安全の現状」:

午前は、国保中央病院より緩和ケア看護認定看護師を講師に招き、緩和ケアに関する講義をしていただきました。内容は、緩和ケア病棟の紹介、緩和ケアとは(全人的ケア、QOLの向上・維持、チーム医療、継続ケア、家族ケア)、さらに看護師の役割やグリーフケアについてです。具体的な事例も紹介もされ、その内容を2人ペアになって事例検討しました。受講生は「エンゼルケアというと、死後の処置のことだけをイメージしていたが、それだけではなく、看取り期のお話が聞けて良かったです。」「生存期間に応じた緩和ケアのアプローチが丁寧に説明され、非常にわかりやすかったです。」「具体例も聞けて、イメージ出来ました。私もこのような看護がしたいと思いました。」等の感想をいただきました。最期まで人として尊厳をもってケアを行う姿勢がとても印象的で、細やかな配慮が素晴らしいと感じた受講生が多かったです。

午後は、阪奈中央病院より講師を招き、医療安全の現状について講義をしていただきました。講義では、医療安全推進の背景や人間の特性に基づくヒューマンエラー、そして「医療安全のABC」(あたりまえのことを、ばかにせず、ちゃんとやる)についてお話しされました。また、危険予知トレーニング(KYT)も体験し、受講生は自分自身の行動を見直しました。講義で取り上げられた「権威勾配※1」について、多くの受講生が共感し、医療現場では立場に関わらず患者さんのために勇気を持って意見を述べることの重要性を改めて学びました。受講生は「忘れかけていた医療安全の話を聞いて、また気持ちが引き締まりました。」「危険を予測しながら行動することの大切を改めて感じました。」等の感想をいただきました。医療事故の原因は個人の責任だけではなく、さまざまな要因が関与していることを強調され、チームとして医療安全意識の向上が求められることを再認識しました。
※1「権威勾配」とはチームで行動する時、効率よく仕事を進める上ではリーダー(上司)を置くことが一般的です。この時リーダーと他のメンバーとの間の力関係を言う。
(奈良県ナースセンター)