令和5年度第8回復職支援研修を開催しました。
午前は西大和リハビリテーション病院より講師を招き、認知症とは・治療・ケアについて・MOCA-Jテストの体験・症例に基づきグループで事例検討を実施しました。
講師は、「グループにより意見は様々ですが、間違いも正解もありません。認知症になってもかけがえのない大切な人です。そのため絶対に否定はしない事、その人の世界に入り込む事が大切です。」と講義されました。
受講生は、「認知症の患者様の世界を想像して、涙が出そうになりました。」「自分の事と置き換えて、常に関わっていきたいと思いました。」「薬の名前や作用や使い分けの基準が参考になりました。」「患者様の世界に入り込む努力をすれば良いのだと気づきました。」等の感想を述べられました。
午後は、奈良県立医科大学医療技術センターより講師を招き、認知症患者の対応と高齢者の体験をVRで学びました。360度の視界であるVRを利用して、自身が高齢者になって日常生活におけるモノの見え方・聞こえ方などをよりリアルに体験しました。実技では、腰が少し曲がり、視界が狭く、耳が聞こえづらい高齢者を体験しました。見えにくいことで歩きづらく、誰かに片手を貸してほしいと感じた方が多かったようです。
受講者は、「VR初体験でしたが、リアルな体験ができて実感が持てました。」「視野が狭いことにより、見えていないことが多いことを知り、声掛けや立つ位置等を考えないといけないと実感しました。」「見えづらい、聞いてにくいことで、やりたいけどできない気持ちを理解して、声かけをしていこうと思いました。」等の感想を述べられました。講義とVR体験を通して、認知症の症状でいちばん苦しんでいるのは認知症の人自身であり、生きづらく、不安や恐怖を感じていることを理解して、私たちが変われるようにすることが大切だと改めて気づく研修となりました。(奈良県ナースセンター)