令和4年度 第7回「復職支援研修」を実施しました。

全国の高齢化率は28.9%と高く、認知症を伴う高齢者が増加し、医療や介護の現場は多忙を極め、職への自信喪失という理由で、離職を選択する看護職が増えています。そのため、午前は土庫病院・午後は西の京病院から認知症看護認定看護師を招き「認知症看護の実際と看護」を講義していただきました。
①中核症状(記憶障害・見当識障害・遂行機能障害・視空間認知機能障害・注意障害・言語障害・失認・失行)
②代表的な認知症(アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・血管性認知症・前頭側頭型認知症)
③認知症・うつ・せん妄の鑑別
①~③について事例を通して具体的な症状を知り、対応方法を学びました。
耳の遠い高齢者の聞こえ方と、高齢者の視覚の特徴を動画の視聴により体験しました。講師からは「認知症の人の行動は援助者の鏡。援助者のイライラした気持ちは認知症の人のイライラした気持ちを呼ぶ。」と話されました。
①先入観を捨てる(認知症だからと言わない)。
②本人に聞く(必ず本人を中心にする)。
③驚かせない(ゆっくりていねいに笑顔で)。
④あいさつ&なにげない会話を大切に(1分でも長く一緒にいる)。
⑤本人が理解できることば・方法を使う(何回でも違う方法で試す)。
⑥返事を待つ(30秒から1分は待つ)。ということが大切だと学びました。
受講者からは「視線を合わせることの大切さを学んだ。認知症になった方への気持ちを考えてみる。理解できないこともその人にとっては意味があると考えること。援助者の意識が大切だと思いました。」等の感想を述べられました。
認知症は今や誰もが関わる可能性のある身近な症状です。今回の研修を通して、認知症について正しい知識を得ることができ、受講者の復職に活用していただける機会となりました。
(奈良県ナースセンター)

8月23日様子18月23日様子2